副業で動画編集を始めるとき、「平日の夜と休日を使えば、何とかなる」と考えていませんか。最初は予定に余裕があるように見えても、素材の確認、依頼者との連絡、書き出し、修正まで含めると、想像していた以上に時間が必要です。
本業がある方の場合、編集できる時間は限られています。だからこそ、依頼が来てから空いている時間を探すのではなく、先に副業へ使える時間を決め、その範囲で受注することが大切です。
私の場合は、動画編集の仕事がある日に1日4時間ほど、週3日程度を目安にしています。毎日深夜まで作業するのではなく、編集する日と休む日を分け、無理のない範囲で品質を保つ考え方です。

副業では、受注数を増やすことよりも、納期を守りながら丁寧に編集できる時間を確保することを優先しましょう。
この記事では、本業と動画編集を両立するための稼働時間の決め方、1週間の予定例、納期の逆算、修正用の余白、複数案件の管理、新しい依頼を受ける判断基準まで詳しく解説します。
目次 非表示
- 副業の時間管理は「案件数」ではなく「使える時間」から考える
- 最初に「固定予定」と「守る時間」を入れる
- 週12時間あっても、12時間すべてを編集へ使わない
- 編集ソフトを触る時間以外もすべて数える
- 1本の動画に必要な標準時間を作る
- 納期は「初稿日」ではなく「完成日」から逆算する
- 1週間の予定例|1日4時間・週3日で組む場合
- 細切れ時間と集中時間を分けて使う
- 新しい依頼を受けられるか判断する計算方法
- 複数案件は「納期」と「次の行動」を一つの表で管理する
- 予定が遅れたときの優先順位
- 予定を詰めすぎているサイン
- 毎週15分だけ予定を見直す
- 副業動画編集の週間管理チェックリスト
- まとめ|空いている時間を全部売らない
副業の時間管理は「案件数」ではなく「使える時間」から考える

「月に何本受けるか」を最初に決めると、動画の難易度や長さによって予定が崩れます。同じ1本でも、要点テロップの10分動画と、フルテロップや素材探しを含む10分動画では必要な時間が異なるからです。
先に確認するのは、1週間に何時間なら無理なく続けられるかです。その時間から、すでに受けている仕事、連絡、修正、予備時間を差し引き、残った時間だけを新しい案件へ使います。
最初に「固定予定」と「守る時間」を入れる
予定表へ最初に入れるのは動画編集ではありません。本業、通勤、家事、家族との時間、睡眠など、簡単には動かせない予定を先に入れます。残った時間の中から、副業へ継続的に使える時間を決めます。
- 本業の勤務時間と通勤時間を先に入れた
- 睡眠時間を編集時間へ置き換えていない
- 家事・育児・通院などの予定を含めた
- 週に最低1日は編集をしない時間を確保した
- 急な残業や体調不良に備える余白を残した
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。副業を続けるためにも、睡眠を削ることを通常の予定にしないようにします。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
週12時間あっても、12時間すべてを編集へ使わない

1日4時間を週3日確保できる場合、表面上は週12時間あります。しかし、12時間分の編集案件を受けると、連絡や修正が発生しただけで予定を超えてしまいます。
週12時間の配分例
- 編集作業:8時間(カット、テロップ、演出、音量調整など)
- 連絡・確認:1時間(素材確認、質問、進捗連絡、納品)
- 修正対応:1時間(平均1回の修正を想定)
- 予備時間:2時間(書き出し失敗、追加確認、本業の残業など)
これは一例です。実際には、自分の編集速度、案件内容、平均修正回数に合わせて調整してください。重要なのは、予定の100%を販売しないことです。

修正などの時間も必要ですが、何かしらのイレギュラーが発生することもあります。落ち着いて対応するためにも全ての時間を案件だけに使用しないようにしましょう。
編集ソフトを触る時間以外もすべて数える
動画編集の予定を立てるとき、カットやテロップの時間だけを見積もると不足しやすくなります。依頼を完了するまでに発生する作業を、最初からすべて予定へ含めます。
- 相談内容と見積もり条件の確認
- 素材のダウンロード、再生確認、整理
- 参考動画・指示書・台本の確認
- カット、テロップ、BGM、効果音、色・音量調整
- 書き出しと自分で行う最終確認
- アップロードと初稿連絡
- 依頼者の確認待ちと修正対応
- 完成データの納品と保管
特に長い素材のダウンロードと書き出しは、待っている間に別作業ができることもあります。ただし、エラーや容量不足が起きれば対応が必要です。予定上は完全な「ゼロ時間」と考えず、確認できる状態を確保します。
1本の動画に必要な標準時間を作る
毎回ゼロから考えず、よく受ける動画を基準に標準時間を作ります。例えば「元素材15分、完成尺10分、フルテロップ、画像20点以内、修正1回」のように条件をそろえ、工程ごとの時間を記録します。
- 直近3〜5本の案件を選ぶ
- 素材確認から納品までの工程を書き出す
- 各工程の実際の時間を記録する
- 合計時間の平均を計算する
- 平均時間に20〜30%の余白を加えて標準時間にする
標準時間が8時間なら、最初から8時間ぴったりで予定を組まず、10時間前後を確保します。慣れて速くできた分は余裕になりますが、予想外の修正があっても納期を守りやすくなります。
作業時間から実質時給を確認する方法は、次の記事で詳しく解説しています。
動画編集の実質時給を計算する方法|売上だけでは分からない採算確認
納期は「初稿日」ではなく「完成日」から逆算する

初稿を出せば終わりではありません。依頼者の確認、修正、再確認を経て納品になります。初稿提出日だけを考えると、公開直前に修正が集中したときに対応できません。
- 公開日または最終納品日を確認する
- 依頼者が確認する日数を確保する
- 修正対応と再確認の日数を確保する
- 初稿提出日を決める
- 書き出し・最終確認の時間を引く
- 実際の編集開始日を決める
- 素材受領の締切を依頼者へ伝える
例えば金曜日が最終納品日なら、木曜日に初稿を出す予定では余裕がありません。依頼者の確認に1日、修正に1日必要なら、遅くとも火曜日までに初稿を提出できるよう逆算します。
副業でも守りやすい納期の決め方は、次の記事もあわせてご覧ください。
動画編集の納期の決め方|副業でも無理なく守れるスケジュール管理
1週間の予定例|1日4時間・週3日で組む場合
ここでは、火曜日・木曜日・土曜日に4時間ずつ、合計12時間を確保できる場合を例にします。1本の案件だけを進める週を想定しています。
火曜日:素材確認と編集前半
- 30分:素材・指示書・参考動画の確認
- 15分:不明点をまとめて依頼者へ確認
- 2時間45分:カットと構成
- 30分:進捗保存、バックアップ、次回作業のメモ
木曜日:編集後半と初稿準備
- 2時間30分:テロップ、画像、BGM、演出
- 45分:音量、誤字、不要な空白の確認
- 30分:書き出しと再生確認
- 15分:初稿提出と確認事項の連絡
土曜日:修正と予備時間
- 1時間:修正対応
- 30分:再書き出し、最終確認、納品
- 30分:案件時間と改善点の記録
- 2時間:予備時間。修正がなければ次案件の準備や休息へ回す
依頼者の確認日数によっては、土曜日に修正指示が届かない場合もあります。そのときは次の稼働日に修正する前提で、初稿提出時に対応可能日を伝えておきます。
細切れ時間と集中時間を分けて使う
通勤中や昼休みの15分で、集中が必要なカット編集を進めるのは現実的ではありません。一方、連絡の下書きや指示書の確認なら、短い時間でも進められます。
- 15〜30分で行う作業:メッセージ確認、質問整理、予定更新、ファイル整理、素材ダウンロードの開始
- 1〜2時間以上確保する作業:カット、テロップ、演出、音量調整、全編確認
ただし、依頼者への返信を常にすき間時間で行うと、本業中も気になってしまいます。「朝と夜に確認する」など、自分で返信時間を決めると気持ちを切り替えやすくなります。
新しい依頼を受けられるか判断する計算方法
依頼が来たときは、「その日が空いているか」ではなく、納期までに必要な総時間を確保できるかで判断します。
受注判断の基本式
納期までに使える時間 - 既存案件の残り時間 - 修正・予備時間 = 新しい案件へ使える時間
例えば納期までに16時間使えて、既存案件に6時間、修正と予備に4時間必要なら、新規案件へ使えるのは6時間です。標準時間が8時間の案件は、そのままの納期では受けません。開始日を遅らせてもらうか、納期を延ばせるか相談します。
- 素材尺・完成尺・編集内容を確認した
- 納期までの実働可能時間を数えた
- 既存案件の未完了作業を差し引いた
- 修正と書き出しの時間を残した
- 本業の繁忙日や私用を反映した
- 急な変更があっても睡眠を削らず対応できる
条件が曖昧な案件や危険な依頼を見分ける方法は、次の記事で詳しく紹介しています。
動画編集で受けないほうがいい案件|危険な依頼を見極める判断基準
複数案件は「納期」と「次の行動」を一つの表で管理する
依頼者ごとにメッセージやメモが分かれていると、全体の忙しさを把握できません。案件名、初稿日、納品日、残り作業時間、依頼者の確認待ち、次に行う作業を一つの一覧へまとめます。
- 案件名と依頼者名
- 素材受領日・編集開始日
- 初稿提出日・最終納品日
- 見積もり時間・実績時間・残り時間
- 現在の状態(編集前、編集中、確認待ち、修正中)
- 次に行う具体的な作業
- 修正回数と追加依頼の有無
確認待ちの案件は作業が止まっていても、予定から消しません。返事が届けば修正が発生する可能性があるため、納品完了まで修正枠を残します。
予定が遅れたときの優先順位
残業、体調不良、PCの不具合などで予定どおり進まないことはあります。遅れに気づいたら、睡眠を削って隠すのではなく、早めに順番を整理します。
- すべての案件の納期と残り時間を確認する
- 公開日が決まっている案件を優先する
- 依頼者の確認待ち時間を利用できる案件を進める
- 間に合わない可能性がある依頼者へ早めに連絡する
- 新規相談の受付日を後ろへずらす
納期調整を相談する例文
ご依頼いただき、ありがとうございます。現在の編集予定を確認したところ、品質確認まで含めて対応する場合、○月○日から編集を開始し、初稿は○月○日の提出となります。こちらの予定で問題ないか、ご確認いただけますと幸いです。
受注前なら、無理な納期を引き受けず、対応できる日を具体的に伝えます。受注後に問題が起きた場合は、間に合わないと確定するまで待たず、見込みが分かった時点で連絡します。
予定を詰めすぎているサイン
- 毎週のように深夜まで作業している
- 依頼者への返信が遅れ始めた
- 誤字や書き出しミスが増えた
- 修正が入ると別案件の納期が崩れる
- 本業中も編集の進捗が気になる
- 休日をすべて編集へ使っている
- 単価を確認せず、空き時間を埋めるために受注している
一つでも起きたら失敗というわけではありません。しかし、複数が続いているなら、効率化だけで解決しようとせず、受注数、料金、作業範囲、納期のいずれかを見直します。

低単価の案件を大量に受けると、予定だけでなく気持ちにも余裕がなくなります。少ない本数でも丁寧に対応できる条件を目指しましょう。
毎週15分だけ予定を見直す
予定表は一度作って終わりではありません。週の終わりに15分だけ、見積もり時間と実際の時間を比べます。
- 予定より時間がかかった工程
- 想定外に発生した連絡や修正
- 余った時間と不足した時間
- 次回から見積もりへ加える作業
- 来週すでに確定している案件と予定
実績を記録すると、「自分は何時間で編集できるか」が明確になります。受注判断と見積もりの精度が上がり、無理な依頼を断る根拠にもなります。
副業動画編集の週間管理チェックリスト
- 本業・生活・睡眠を先に予定へ入れた
- 動画編集へ使える曜日と時間を決めた
- 週の20〜30%を修正・予備時間として残した
- 編集以外の連絡・確認・納品時間も数えた
- よく受ける動画の標準作業時間を作った
- 最終納品日から初稿日と開始日を逆算した
- 確認待ちの案件にも修正枠を残した
- 新規依頼は残り時間を計算してから受けた
- 週1回、予定時間と実績時間を比べた
まとめ|空いている時間を全部売らない
副業動画編集を本業と両立するには、依頼が来てから予定を探すのではなく、最初に1週間の稼働時間を決めます。そして、編集だけでなく、連絡、書き出し、修正、予備時間まで含めて配分します。
1日4時間・週3日で12時間使える場合でも、12時間すべてを受注枠にしないことが大切です。余白があることで、修正へ丁寧に対応でき、納期と品質を守りやすくなります。
副業は、本業や生活を壊してまで続けるものではありません。低単価の案件を大量に詰め込むのではなく、自分が高品質な編集を届けられる本数と条件を理解し、少しずつ単価と予定の精度を上げていきましょう。
