動画編集の見積もりは、金額だけを伝えても十分ではありません。依頼者が本当に知りたいのは、その金額で何をしてもらえて、いつ受け取れ、どこまで修正してもらえるのかです。
たとえば「30,000円で対応します」とだけ送った場合、カットやテロップは含まれるのか、画像探しは必要なのか、初稿日はいつなのかが分かりません。出品者には当たり前の条件でも、依頼者が同じ認識とは限らないでしょう。
私も動画編集を始めた頃は、金額を出すことばかり考えていました。しかし、受注後の認識違いを減らすには、計算よりも見積もりの条件を文章へ残すことが大切です。

見積もり文は、料金を知らせる文章ではありません。依頼者と編集者が、同じ条件で仕事を始めるための確認書だと考えています。
この記事では、ココナラで動画編集の見積もり文を書く方法を、5つの必須項目と例文に分けて解説します。素材確認前の概算、修正条件、納期の書き方も紹介するので、初めて見積もりを送る方は順番に確認してください。
この記事の役割|似た記事との違い
この記事がおすすめの人:決めた金額と条件を、依頼者が確認しやすい見積もり文へまとめたい人向けの記事です。
目的が異なる場合は、次の記事を選んでください。
この記事でわかること:基本料金、追加作業、修正条件を分けて見積金額を作る方法が分かります。
この記事でわかること:目的、素材、尺、編集範囲、納期、修正、納品形式など10項目を確認できます。
この記事でわかること:相談画面で確認する7項目と、質問から料金計算へ進む流れが分かります。
金額だけの見積もりでは判断できない

結論からお伝えすると、見積もり文には金額の根拠と仕事の終了条件が必要です。理由は、同じ30,000円でも、含まれる作業によって価値が変わるからです。
カットと要点テロップだけで30,000円なのか、フルテロップ、画像探し、サムネイルまで含めて30,000円なのかでは、作業量がまったく違います。依頼者も、金額だけでは他の提案と比較できません。
伝わりにくい見積もり
ご相談ありがとうございます。
30,000円で対応可能です。
納期は1週間ほどです。
よろしくお願いいたします。
文章は短くまとまっていますが、編集内容、初稿日、修正条件、追加料金の扱いが分かりません。「1週間」が編集開始からなのか、購入日からなのかも曖昧です。
条件が伝わる見積もり
ご相談いただいた内容の場合、概算30,000円で対応可能です。
料金には、不要部分のカット、音量調整、要点テロップ、BGM、支給画像の挿入、MP4での書き出しを含みます。
○月○日より編集を開始し、初稿は○月○日までに提出予定です。通常の修正は基本無料ですが、当初のご依頼から構成や編集方針を大きく変更する場合は、追加料金をご相談します。
後者であれば、依頼者は購入前に条件を確認できます。出品者も、受注後に「それは含まれていません」と説明する場面を減らせます。
見積もり文に入れる5つの必須項目

私が見積もり文へ入れている項目は、次の5つです。
- 依頼内容とご要望の確認
- 見積もり金額と内訳
- 料金に含まれる作業範囲
- 編集開始日・初稿日・納品の目安
- 修正条件と注意事項
挨拶や締めの文章を長くするより、5項目を明確に書くほうが安心につながります。以下で、順番に見ていきましょう。
1.依頼内容とご要望の確認
最初に、依頼者から聞いた内容を短くまとめます。目的は、理解した内容が合っているか確認してもらうことです。
書き方の例
YouTubeで公開するビジネス解説動画について、15分の元素材を10分前後にまとめ、カット、要点テロップ、BGM、支給画像の挿入まで行うご依頼と理解しております。
相談文をそのまま貼り付ける必要はありません。公開先、素材尺、完成尺、主な編集内容を1〜2文で要約すれば十分です。
内容を要約すると、依頼者の希望を読み違えていた場合も、購入前に修正できます。専門用語を増やさず、相手が使った言葉を中心にまとめてください。
2.見積もり金額と内訳
合計金額は、内訳と一緒に伝えます。金額の根拠が分かれば、依頼者は不要な作業を外したり、予算に合わせて相談したりできます。
内訳の例
【概算見積もり】30,000円
・基本編集:○○円
・素材尺、完成尺の超過分:○○円
・フルテロップ:○○円
・画像素材の選定:○○円
・サムネイル制作:○○円
項目を細かく分けすぎると読みにくくなるため、依頼者が調整できる単位でまとめます。カット1回ごとの金額まで書く必要はありません。

内訳は、自分の計算をすべて見せるためではなく、金額が変わる理由を依頼者へ伝えるために書きます。
3.料金に含まれる作業範囲
見積もりへ含めた作業を、具体的に並べます。「動画編集一式」だけでは、出品者と依頼者で想定がずれる可能性があります。
- 不要部分のカット
- 色調補正
- 音量調整と簡易ノイズ除去
- 要点テロップまたはフルテロップ
- タイトル、チャンネル名の表示
- BGM・効果音
- 画像や動画素材の選定
- エフェクト・モザイク・クロマキー
- サムネイル制作
- 納品形式とプロジェクトファイルの有無
すべてを毎回書くのではなく、今回の料金に含まれる作業だけを記載します。含まれない作業で、依頼者が期待しそうな項目は「別途相談」と書いておくと安心です。
作業範囲の例
料金には、カット、色調補正、音量調整、簡易ノイズ除去、全体の約1割を目安とした要点テロップ、タイトル表示、BGM、MP4での書き出しを含みます。
フルテロップ、素材探し、複雑なアニメーション、サムネイル、プロジェクトファイル納品は含みません。必要な場合は、作業開始前に追加料金をご案内します。
4.編集開始日・初稿日・納品の目安
納期は「7日ほど」ではなく、日付で書きます。編集開始日、初稿日、修正版の提出目安を分けると、依頼者が予定を立てやすくなります。
納期の例
【納期の目安】
・編集開始日:○月○日
・初稿提出日:○月○日まで
・修正版:修正のご指示をいただいてから2営業日以内
修正を1回とした場合、おおよその納品日は○月○日を予定しております。
公開日が決まっている場合は、依頼者の確認時間も含めて逆算します。初稿を公開日前日に出しても、十分な確認や修正はできません。
副業で作業時間が限られている方は、購入された日から自動的に日数を数えないほうが安全です。「素材がすべてそろった日」や「編集開始日」を基準にしましょう。
5.修正条件と注意事項
修正無料と書くだけでは、どのような変更まで無料なのか分かりません。通常の調整と、依頼内容を大きく変える追加作業を分けます。
通常修正を基本無料にする場合
修正は基本的に無料で対応しておりますが、修正箇所はなるべくまとめてご連絡いただけますと幸いです。
ただし、当初ご依頼いただいた内容から構成や編集方針などを大きく変更する場合は、新たな編集作業となるため、基本料金分の追加料金をお願いしております。
修正回数を決める場合
修正は1回まで無料で対応しております。修正箇所は、なるべくまとめてご連絡いただけますと幸いです。
2回目以降の修正につきましては、1回につき1,000円の追加料金をお願いしております。
また、当初ご依頼いただいた内容から構成や編集方針などを大きく変更する場合は、修正回数にかかわらず追加料金をご相談します。
修正を受けたくないという意味ではありません。依頼者のために制作する以上、認識の違いや好みによる修正は発生します。事前確認と条件の明記によって、必要以上に増やさない考え方が大切です。
ヒアリング内容を見積もり文へ変える順番

見積もり文は、相談を受けてすぐ書き始めるものではありません。私は、次の順番で整理しています。
- 相談文と素材を確認し、不足情報をヒアリングする
- 作業項目ごとの時間と料金を計算する
- 金額・作業範囲・納期・修正条件を文章へまとめる
- 依頼者に確認してもらい、合意後に購入してもらう
ココナラの見積もり機能では、出品者が「見積り金額・納期・仕事内容」を提案し、依頼者が内容に納得すれば購入手続きへ進めます。見積もり文は、購入判断に必要な情報をまとめる場所です。
ヒアリングで確認する項目は、前の記事で詳しく解説しています。
素材確認前は「概算」と明記する
素材を確認していない段階で、金額を確定しないようにします。元素材の状態によって、カット、音声調整、モザイク、画像探しに必要な時間が変わるためです。
依頼者から「だいたいいくらですか」と聞かれた場合は、回答を避けるのではなく、現時点の条件で計算した概算を伝えます。同時に、正式な金額が変わる条件も説明してください。
概算見積もりの注意書き
なお、正式なお見積もりにつきましては、編集素材を確認させていただいたうえでのご案内となりますので、現時点では概算としてご参考いただけますと幸いです。
編集内容や素材の状況によっては、お見積もり金額が前後する場合がございます。あらかじめご了承ください。
素材をすべて確認済みで、作業範囲も決まっている場合は、概算の注意書きを外して正式な金額を提示します。毎回同じ文章を付けるのではなく、確認状況に合わせて変更しましょう。
追加料金は発生条件と一緒に伝える
追加料金の金額だけを並べても、依頼者は自分の依頼が該当するのか判断できません。何を超えると、いくら増えるのかを書きます。
追加料金の伝え方
以下の作業が必要になった場合は、作業開始前に追加料金をご相談します。
・見積もり時より元素材または完成尺が増えた場合
・要点テロップからフルテロップへ変更する場合
・画像や動画素材を追加で探す場合
・エフェクト、モザイク、クロマキーが追加になる場合
・サムネイルまたはプロジェクトファイル納品を追加する場合
・通常納期から特急対応へ変更する場合
依頼者の了承を得る前に、追加作業を進めないようにします。完成後に請求すると、依頼者は断れない状態になるからです。金額と納期を案内し、合意を確認してから着手してください。
Yukiが使う見積もり文の基本テンプレート
以下は、私が普段使う文章を、初めての方でも使いやすい形に整えたものです。案件名、作業内容、金額、日付、修正条件を必ず差し替えてください。
見積もり文テンプレート
○○様
このたびは、数あるサービスの中からご連絡をいただき、ありがとうございます。
ご質問いただきました内容につきまして、下記のとおりご案内いたします。
【見積もり】
概算金額:○○円
・基本編集:○○円
・追加作業:○○円
・サムネイル制作:○○円
【料金に含まれる作業】
・不要部分のカット
・色調補正
・音量調整、簡易ノイズ除去
・要点テロップ
・BGM、支給画像の挿入
・MP4での書き出し
【ご要望】
○○向けの動画を、○分前後に編集するご依頼と理解しております。
参考動画の○分○秒付近を基準に、落ち着いたテロップと必要箇所のみ演出を加えます。
なお、正式なお見積もりにつきましては、編集素材を確認させていただいたうえでのご案内となりますので、現時点では概算としてご参考いただけますと幸いです。
編集内容や素材の状況によっては、お見積もり金額が前後する場合がございます。
【納期の目安】
・編集開始日:○月○日
・初稿提出日:○月○日まで
・修正版:修正のご指示をいただいてから○営業日以内
修正を1回とした場合、おおよその納品日は○月○日を予定しております。
修正回数や修正内容、やり取りの状況により、納品日は前後する場合がございます。
【修正について】
通常の修正は基本無料で対応しております。修正箇所は、なるべくまとめてご連絡いただけますと幸いです。
当初のご依頼から構成や編集方針を大きく変更する場合は、追加料金をご相談します。
ご依頼いただけた際には、「お願いしてよかった」と感じていただけるよう、誠心誠意対応いたします。
ご不明点やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
何卒ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

テンプレートは、そのまま送る文章ではなく、確認漏れを防ぐ土台です。依頼者が書いてくれた内容を反映し、不要な項目は削って使ってください。
状況別に見積もり文を調整する
素材を確認済みの場合
概算の注意書きを外し、「素材を確認し、以下の金額で対応可能です」と伝えます。確認したファイル数や素材尺も書くと、どの素材を基準にした金額か明確になります。
例文
お送りいただいた動画素材3点、合計18分を確認しました。ご希望の編集内容を含め、32,000円で対応可能です。追加素材がない場合は、こちらを正式なお見積もりといたします。
予算を超える場合
ただ「予算ではできません」と断らず、予算内で減らせる作業を提示します。品質を落として無理に受注する必要はありません。
例文
ご希望の編集内容では、概算35,000円となります。ご予算30,000円へ合わせる場合は、画像素材を支給いただき、テロップを要点のみにすると対応可能です。どの作業を優先されるか、お知らせいただけますでしょうか。
特急対応の場合
通常料金に対する割合、初稿日、修正版の提出日を明記します。通常案件の予定を変更する必要があるため、作業開始前に了承を得ます。
例文
通常納期では○月○日に初稿提出となります。○月○日までの特急対応をご希望の場合は、見積もり金額の50%を特急料金として加算し、合計○○円で対応可能です。
対応できない条件がある場合
対応できない作業を曖昧に受けると、受注後のトラブルにつながります。難しい理由と、対応できる範囲を簡潔に伝えます。
例文
ご相談ありがとうございます。実写合成を含む高度なアニメーション部分は、現在の対応範囲外となります。カット、テロップ、音声調整、支給素材の挿入までであれば、○○円で対応可能です。

自分自身のスキルアップのためにも、現在の実力では少し難しいと感じる案件でも、納期や作業時間に余裕がある場合は、積極的に挑戦してみましょう。
見積もり文で避けたい7つの失敗
- 合計金額だけを書き、作業範囲を示していない
- 素材を見ていないのに正式な金額として確定する
- 納期を「1週間ほど」と曖昧に書く
- 初稿日と最終納品日を分けていない
- 修正無料の範囲を決めていない
- 追加料金が発生する条件を後から伝える
- 過去のテンプレートから名前、日付、金額を直し忘れる
特に注意したいのは、古いテンプレートの情報です。文章が丁寧でも、別の依頼者名や過去の日付が残っていれば信頼を失います。送信前に、数字と固有名詞を優先して読み直してください。
ココナラで見積もり提案を送った後の注意点
ココナラ公式ヘルプによると、見積もり提案の購入期限は、提案が届いた日または最後に変更した日から1週間です。期限内であれば提案内容を編集できますが、購入後の提案は削除できません。
条件に変更が出た場合は、依頼者と確認したうえで提案内容を更新します。メッセージだけで変更を済ませず、購入する提案にも最新条件を反映させましょう。
返信全体を効率化したい方は、取引場面ごとの文章をまとめた記事も参考にしてください。
送信前の最終チェック

- 依頼者名と案件名は正しい
- 依頼内容を1〜2文で要約した
- 合計金額と内訳が一致している
- 料金に含む作業を具体的に書いた
- 含まれない作業と追加条件を確認した
- 素材確認前なら概算と明記した
- 編集開始日、初稿日、納品目安を書いた
- 修正回数と追加作業の扱いを書いた
- 数字、日付、固有名詞を読み直した
- 依頼者が次に行う内容を最後に書いた
金額計算そのものに不安がある場合は、見積もりの料金設計から確認しましょう。
まとめ|見積もり文で仕事の範囲をそろえる
動画編集の見積もり文には、依頼内容、金額と内訳、作業範囲、納期、修正条件を記載します。金額だけを短く伝えるより、依頼者が購入後の流れを想像できる文章を作ってください。
素材確認前は概算と明記し、正式な金額が変わる条件も説明します。追加作業が発生した場合は、着手前に金額と新しい納期を案内しましょう。
見積もり文を整える目的は、文章を立派に見せることではありません。依頼者と編集者の認識をそろえ、安心して仕事を始めるためです。

見積もりで条件を丁寧にそろえると、受注後の連絡と修正が楽になります。副業で使える時間を守るためにも、最初の文章を大切にしてください。

