動画編集の価格を見直したいと思っても、継続して依頼してくださるお客様へ伝えることには不安があると思います。
値上げを伝えたら、次の依頼がなくなるかもしれない。今までお願いしてくれた相手に申し訳ない。このように考え、作業量が増えても以前の価格を続けてしまう方もいます。
既存顧客との関係は大切です。しかし、現在の価格では確認時間や品質を保てない状態を続けることが、必ずしも相手のためになるとは限りません。
私が大切だと考えているのは、価格だけを一方的に通知しないことです。変更する理由、新しい料金に含む作業、適用日、継続する場合の選択肢を、次の依頼より前に説明します。
この記事では、既存顧客へ動画編集の値上げを伝えるタイミング、準備する内容、そのまま使える例文、断られたときの対応を解説します。

値上げの相談は、これまでの関係を否定するものではありません。今後も品質を保って続けるための条件を、丁寧に共有しましょう。
先に結論:価格だけでなく4つの情報を伝える
- なぜ条件を変更するのか
- 新しい料金と料金に含む作業
- 新料金を適用する日
- 継続する場合に選べる方法
理由を長く弁解する必要はありません。依頼者が、次回以降も依頼するか、作業範囲を調整するか、別の方法を選ぶか判断できる情報をそろえます。

既存顧客へ値上げを相談する前に確認すること
現在の価格と作業時間
相談から納品までに使った総時間と、手元に残る報酬を確認します。編集作業だけでなく、素材確認、連絡、書き出し、修正も含めます。
当初から増えた作業
継続する中で、テロップ量、素材探し、確認者、修正、納品形式などが増えていないか確認します。価格変更ではなく、追加作業を分けることで解決できる場合もあります。
新しい料金に含む内容
単に金額を上げるのではなく、変更後の基本範囲を明確にします。依頼者が現在との違いを比較できる状態にしてください。
継続できない最低条件
相手から相談されたとき、その場の不安で元の価格へ戻さないよう、自分が品質を保って続けられる最低条件を決めます。

現在の案件だけ作業量が増えている場合は、一律値上げより追加作業を分ける方が合うこともあります。原因を確認してから選びましょう。
値上げを伝える適切なタイミング

基本は、現在受注している動画を従来条件で完了し、次の依頼が確定する前に伝えます。
- 現在の案件を納品した後
- 次回の素材を受け取る前
- 新しい見積もりを作る前
- 料金表やサービス内容を変更する前後
- 継続契約の更新を相談する時期
適用までに余裕を持たせると、依頼者は社内予算や今後の制作本数を確認できます。何日前に案内するかは、依頼頻度や契約条件に合わせて決めてください。
避けたいタイミング
- 制作途中で突然料金を変更する
- 納品直前に追加請求として伝える
- 見積もり合意後に基本料金を変える
- 請求時に初めて新料金を知らせる
- 依頼者が判断する時間を設けない
すでに合意した案件の条件は、双方が変更に同意しない限り途中で変えません。
値上げの理由として伝えやすい内容
依頼者に関係する事実を、簡潔に説明します。
- 編集内容と作業時間を見直した
- 基本料金に含む作業を整理した
- 追加されてきた作業を正式な範囲へ反映した
- 納品前確認と品質を継続するため条件を見直した
- 新しい料金表へ統一する
生活費が増えた、自分が忙しくなったという事情だけでは、依頼者が価格変更を判断しにくくなります。サービス内容と継続条件を中心に説明します。
そのまま使える値上げの例文
基本料金を変更する場合
例文1:通常の価格改定
いつも動画編集をご依頼いただき、ありがとうございます。編集内容と制作時間を見直し、今後も納品前の確認と現在の品質を維持するため、○月○日以降に新しくご相談いただく動画から料金を変更させていただきたいと考えております。変更後は、基本編集○円となり、○○、○○、初稿後○回までの修正が含まれます。現在進行中の動画は、これまでの条件で対応いたします。今後の制作本数やご予算に合わせた作業範囲もご相談できますので、ご検討いただけますと幸いです。
増えた作業を追加料金へ分ける場合
例文2:作業範囲の整理
いつもご依頼いただき、ありがとうございます。これまで基本料金内で対応していた○○について、継続的に必要な作業時間を確認し、○月○日以降のご依頼から追加料金○円として分けさせていただきたいと考えております。基本料金には、これまでどおり○○と○○が含まれます。○○が不要な動画は、基本料金のみで対応可能です。
複数の選択肢を提示する場合
例文3:予算に合わせた選択肢
次回以降は、これまでと同じ編集内容を新料金○円で継続する方法と、○○を減らして基本料金○円で制作する方法をご用意できます。動画の目的とご予算に合わせてお選びください。どちらの場合も、対応内容を確認してからお見積もりいたします。
金額、日付、作業内容は、自分のサービスと契約に合わせて書き換えてください。

選択肢を出すときは、価格だけでなく何が含まれるかを並べてください。依頼者が比較しやすくしましょう。
値上げを伝える文章の組み立て
- これまでの依頼への感謝
- 条件を変更する理由
- 変更後の料金と作業範囲
- 適用日と現在の案件の扱い
- 予算に合わせた選択肢
- 確認をお願いする言葉
長文で申し訳なさを繰り返すより、判断に必要な情報を見つけやすくします。重要な料金、日付、作業範囲は箇条書きにしても構いません。
値上げを断られたときの対応
条件を丁寧に説明しても、依頼者の予算に合わないことはあります。すべての既存顧客が継続するとは限りません。
作業範囲を調整する
- フルテロップを要点テロップへ変更する
- 素材探しを依頼者側で行う
- 特殊な演出を減らす
- 完成尺を短くする
- サムネイルやShortsを分ける
- 納期へ余裕を持たせる
一定期間だけ旧条件を設ける
急な変更を避けるため、適用日まで旧条件を設ける方法があります。ただし、終了日を曖昧にすると元の価格が続くため、日付を明確にします。
継続を無理に求めない
新しい条件が相手の予算に合わなければ、今回で区切りになることもあります。強く引き止めたり、その場で無理な値下げを約束したりせず、これまでの依頼への感謝を伝えます。
継続が難しい場合の返信例
ご検討いただき、ありがとうございます。今回の条件がご予算に合わないこと、承知いたしました。これまで継続してご依頼いただき、ありがとうございました。今後、条件の合う動画がございましたら、改めてご相談いただけますと幸いです。

値上げを断られても、これまでの取引まで否定されたわけではありません。無理な条件へ戻さず、丁寧に今までのお礼をお伝えするのもひとつです。最後まで丁寧に対応することで、条件よく再依頼があることもあります。
値上げで避けたい7つの伝え方
- 理由を説明せず金額だけ送る
- 現在制作中の案件へ途中から適用する
- 適用日を曖昧にする
- 料金に含む作業を説明しない
- 値上げへの謝罪だけを長く書く
- 断られる前に自分から元の価格へ戻す
- 口頭だけで決めて記録を残さない
通話で合意した場合も、変更後の料金、作業範囲、適用日を文章で送り、認識が合っているか確認します。
既存顧客へ送る前のチェックリスト
- 現在の案件は合意済みの条件で完了する
- 値上げの根拠を作業内容で説明できる
- 新料金に含む作業が明確である
- 追加料金になる条件が決まっている
- 適用日が明確である
- 依頼者が検討する時間を設けている
- 予算に合わせて減らせる作業が分かる
- 続けられる最低条件を決めている
- 断られた場合の対応を決めている
- 合意内容を文章で残す
まとめ
既存顧客へ値上げを伝えるときは、価格だけを通知しません。変更理由、新料金と作業範囲、適用日、継続する場合の選択肢をセットで伝えます。
現在進行中の案件へ突然適用せず、次の相談が確定する前に案内します。予算が合わない場合は、価格だけを下げるのではなく作業範囲を調整します。
それでも継続が難しい場合は、無理な条件へ戻らず、これまでの依頼への感謝を伝えて区切ります。
まずは、現在の価格で行っている作業と、次回から料金に含める範囲を書き出してください。その内容が、値上げを説明する根拠になります。

価格を変えることより、今後の条件を依頼者が判断できるように伝えることが大切です。準備してから、落ち着いて案内しましょう。
